子どもは経験やその他の環境因子とは無関係に、ヒトとしての遺伝子因子に基づいて成長・発達をとげます。
これを成熟といいます。
成長・発達の時期や速さは各器官により様々ですが、その成長・発達具合をグラフで表したものがスキャモンの発育曲線です。
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スキャモンの発育曲線
スキャモンの発育曲線では、20歳時点での発育を100(%)としたときの成長パターンを
- 一般型
- 神経系型
- 生殖系型
- リンパ型
の4つに分類して表現しています。

一般型
一般型は、骨格、筋肉全体、各臓器、血液量など体幹の発育。
乳児期までに急速に成長・発達。その後緩やかになり、第二次性徴の思春期に再び成長・発達のスパートが見られます。
一般型の発育曲線は、前半と後半に大きな坂が2ヵ所登場するのが特徴です。
神経系型
神経系型は、脳、脊髄、感覚器などの神経組織の成長・発達。
出生直後から急激に発達。4〜5歳になるまでに成人の80%、6歳で90%にまで達します。
神経系の発育曲線は、出生直後から一気に増加、成長期には100%の状態にまで達するのが特徴です。
生殖系型
生殖型は、子宮、卵巣、睾丸、前立腺などの生殖器官の発育。
小学校前半まではわずかに成長するだけですが、14歳頃の第2次性徴期に急激に成長・発達します。
生殖器系の発達により、男性ホルモン、女性ホルモンの分泌も多くなります。
生殖系型の発育曲線は、出生後しばらくは低空飛行、思春期になると急激に上昇するのが特徴です。
リンパ型
リンパ型は、リンパ節、扁桃腺、間質性リンパなどの分泌組織の成長。
出生後から11、12歳までかけて急激に成長し、大人のレベルを超えますが、思春期すぎから大人のレベルに戻ります。
リンパ型の発育曲線は、11、12歳頃に大人2倍程まで成長、そこから徐々に下がっていく形が特徴です。
成長・発達の進み方の特徴(方向性・順序性)
成長・発達は連続的で速度は一定ではない
成長・発達には個人差がある
成長・発達には一定の順序がある
- 頭部から尾部へ
- 中心から末梢へ
- 粗大運動から微細運動へ